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執筆者の写真山本雄士ゼミ学生スタッフ

開催報告:2019年度第2回〜全米トップクラスの医療機関から学ぶ医療戦略と組織変革〜



【ケース:Cleveland Clinic: Transformation and Growth 2015】

ケースディスカッションは、なぜクリーブランドは強いのかという点からスタートしました。「患者第一」という理念を持っていた、説明責任をしっかり果たしていたからこそ、変化を恐れることなく変革をマネジメントできていたのだ、との結論に至ったのですが、なぜ説明責任を果たすことが必要なのか、結果として何が得られるのかという議論は頭を悩ませる方も多くいらっしゃいました。 また、技術的な優位性があったことに対しては、冠動脈造影技術が偶然発見されたという点がフォーカスされました。事故を新技術に転換することが出来た背景には、新技術を開発した上で商品化し、浸透させるというマネジメントのノウハウを病院側が持っていたことがあり、新技術の発見→ブランド化までの具体的な流れのイメージを共有していただくことができました。 また、患者満足度を重要視することは病院経営に必須なのかという論点では意見が分かれ、経営者、労働者、患者など様々な視点からの意見が飛び交いました。患者が満足に感じる医療を提供するのが正義なのか、病院として利益を上げることが正義なのかというのは、考え方の個性・その人の立場によって大きく左右されるものであり、どちらの意見が"正しい"と断言出来るものではない課題です。どの立場を取るにせよ、誤っていることに気がついた場合は習慣化する前に、素早く方向転換することが必要であるとの学びが得られました。 クリーブランドが診療ユニット(「循環器内科」「心臓外科」といった従来の専門診療科ではなく、「冠動脈疾患ユニット」「弁膜症ユニット」のように疾患区分に対応した診療チーム)を構成したことに関しては、ユニットに配置するスタッフを、他のユニットと兼務させるか、単一のユニットに専任にするかのそれぞれでメリット・デメリットを考えました。実際にクリニック内で作られたユニットを分析し、どのように構成されたものであれば、効率よく適切な医療を提供できるのか考察しました。 ディスカッションの最後には、今後のクリニックの成長のために何から着手するのかについて意見を出し、全体のまとめとなりました。行った改革が多岐にわたり、地域医療システムなどディスカッション出来なかったテーマもありましたが、その一方で、参加者の方々の関心があることや、経営において重要な点を抽出して取り扱うことができ、参加者の方々にも大きな学びをご提供することができたと感じています。

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